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help リーダーに追加 RSS 【蝉】

<<   作成日時 : 2008/08/14 23:24   >>

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 抜け殻
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 やかましい....?

このところリハビリと称して近所をうろうろしております。
リハビリとは言え楽しみがなければ意欲が出ないものです。コースを決めるの唯一絶対の条件はモチベーションの持続でした。図書館前の池を2〜3周する簡単明瞭なコースで、休み々歩いて1時間ほどの距離です。

実はこのコースこそリハビリ持続の動機付けだったのです。
コース上には冷房の効いている市役所と図書館、2軒のスーパーと3軒のコンビにがあります。

短パンにTシャツ、腰と膝下を装具で締め、ワイシャツを羽織る。片手に煙草、携帯灰皿、かゆみ止め薬、タオルを詰め込んだナイロン袋、と言う出で立ちで我が家をよたよたと歩き出します。
暫く行くと市役所です。暫し休んだ後、またひょこひょこ歩きます、途中の交差点は信号機が変わるのを待って必ず渡ります。その間休めるからです。

図書館に辿り着き、そこで休憩。池を休み々一回りして傍のコンビに直進、缶ビールとサンドイッチを手に入れると池の周りの木陰のベンチへUターン。

涼風が吹き抜ける木陰に憩う私に葉擦れの音が心地よく響きます。
ひょっこり、よたよた歩き始めた時には「やかましいなあ」と感じた蝉の合唱でしたが、風の音、蝉の声、、間欠泉のように吹き上げる噴水の音が調和して暫しの安らぎへ誘ってくれています。

大して運動もしていないのに猛暑で汗が染み出た私は誘われたのではなく……初からの魂胆だったのです。
もたもたと恥ずかしながら歩いてきた私は魂胆以上の安らぎと活力を得ました。(笑)
帰りは家に極近いコンビニで仕入れます。

好事魔多しと言いますが、そうは上手くいきませんでした。

私には魂胆がありましたので、早期の退院を希望していました。医師は条件を付けて許可してくれました。
一つは、コルセットは今後、指示するまで、睡眠時以外は必ず装着すること。(屋内に於いても)
一つは、断酒・禁酒。(無理なら1合以下…肝臓は週休2日)

(笑)天網恢恢疎にして漏らさず。
私は天の疎い網から上手く逃れられると思っていましたが、天(医師・家族)は私の魂胆をお見通しでした。

退院2週間後の診察時、私の仕草とレントゲン写真を見た医師にコルセットは、外してはならない、と厳命されました。実際、退院後コルセットは殆どしていませんでした。酒は退院翌日から飲んでいます。
診察一週間後、私の自主規制(主に節酒)は只の膏薬だと家人から叱責されました。

まあ、不純な動機で調子に乗って歩き回っていた私は、筋肉痛と相まって足腰から暫く休めの指令が出ていましたので、天の声を素直に受け入れることにしました。

で、その後、コルセットを着け、家族が許可した量のアルコールを頂いて休養しています。
私の 今年のお盆休みです。


 仰のけに 落ちて鳴きけり 秋のせみ (一茶)

ある日、池の周りをひょこひょこ歩いていると、ばたばた 羽音がしたと思うと一匹の蝉が私の胸にぶつかり落ちました。
黄色い腹を見せて羽を震わせ 泣き声を上げるのを暫く見つめていました。

蝉は数年間地中で過ごし、地上生活は2週間ほど、と言われています。
蝉の大合唱の中を歩いていた私は、一つの蝉の終末を見届けたのです。

池の周りには羽化したあとの抜け殻も多く見られます。
抜け殻は蝉の成長の最後の階段です。蝉はこの階段を登らないと人生を昇華出来ないのです。

私と衝突した蝉も為すべきことを成し遂げて、定められた通り終末を迎えたのでしょう。

蝉の一生が長いか…短いか…私に断ずることは出来ませんが、長き地中時代とあまりに違う姿を思うと、やはり哀れを誘います。

 啼きながら蟻にひかるゝ秋の蝉 (正岡子規)

この光景も見ました。抜け殻をつっつくスズメや鳩も見ました。その鳥に餌を撒く人も見ました。

池の周りでは、鳥も虫も自由に生き、其々の人生を謳歌しています。
ビール片手に煙草を燻らせ眺めている私も暫し浮世忘れて、ひと時の安らぎを貰いました。

朝、昼、夕、泣き続ける蝉。
やかましいと嫌う人も多いでしょうが、時間や場所など状況によっては、心地よいハーモニーを聞かせてくれます。

お盆ですし、私たちも下の句のように願いましょう。

 ねがはくば念仏を鳴け夏の蝉 (一茶)


失礼しました。


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